【生徒からの質問】「処知則難」の「誰」の訳し方

生徒からの質問に回答します。

【質問】
第一段落の本文プリント二行目の「誰」について質問です。漢文の習得には人物を問う場合のみに用いられると書いてあるのですが、現代語訳では「どこ」と訳されていて、どのようにとらえれば、「どこ」と訳すことができますか?

【回答】
武公が関其思に尋ねた場面ですね。
「誰可伐者」
「誰か伐つべき者ぞ」と問いかけました。
紹介した現代語訳では、「どこの国を攻めるのが良いだろうか。」とあるので、
「誰か・・・者ぞ」という句形を「どこの・・・」と訳していることに対する違和感について質問してくれました。ありがとう。

質問者が調べたように、「誰」は人物を問う言い方で間違いありません。
というわけで、今回の訳は意訳だと理解してください。

「誰が伐つのに良い者だろうか」というのが直訳になりますが、その問いで想定される答えは人物名でいえば胡君です。
胡君を伐つということは、胡を伐ち取るということです。
武公の望みは胡君を倒すことというよりも、胡を手に入れるために胡君を伐つということなので、
「誰が伐つのに良いだろうか」

「誰の国が伐つのに良いだろうか」

「どこの国を伐つのが良いだろうか」
という訳に落ち着きます。

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